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大正×対称アリス all in one その8(epilogue アリス編 + α)

 『大正×対称アリス all in one』、遂に最後の epilogue です!あれこれ感想を垂れ流しつつも、最後まで一気にプレイするくらいに楽しめました。

 

大正×対称アリス all in one - Switch

大正×対称アリス all in one - Switch

  • 発売日: 2019/04/18
  • メディア: Video Game
 

 

 ※ 以下、ネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

 『大正×対称アリス all in one』もとうとう epilogue。epilogue は「アリス編」と「もうひとつの物語」で構成されており、アリス編をクリアすると、もう一方も開放されました。

 

 アリス編は、ありすがアリスを追いかけて鏡の国を駆け回る、まさに鏡の国のアリスな展開。個人的にアリスというキャラクターが好きなので、アリスとのやり取りや、アリスを追いかける中で、これまでのルートの国を巡り、それぞれの物語がアリステアの交代人格である攻略対象たちにもたらしたものを改めて見ていくのが楽しかったです。ありすが各交代人格の国を駆け回りながら、彼らを集合させていく感じだったので、最終的には全人格が統合されるのかなと思ったけど、全員がアリステアの中で、残ることになるんですね。現実的に考えると、問題に蓋をしただけにも思えるし、手放しにハッピーエンドと言えるかは疑問だけれど、この世界設定の中で考えうる、最も誰もが不幸にならない結末で、一応大団円と言えるのかな、という感じ。ありす(お姫様)が王子様を救い、また王子様がそのまま残ることで、駒として作り出されたありす(お姫様)にも存在意義が与えられる、というのは良かったです。これまで物語の中で失敗して死んでいったありすの人格などを考えると思うところがない訳ではないですが、収まるところに収まった感じで読後感は悪くないです。 ただ、間に挟まるアリステアの回想シーンがとにかくくどいです。魔法使い編で既に真相について種明かしされているにもかかわらず、既に語られた内容が視点をアリステアに変えただけでそのまま繰り返されるからとにかくテンポが悪く思います。それよりも、アリス編として、アリスの登場シーンをもっと増やしてほしかったというのが本音。そういえば、タイトルの大正は大正デモクラシーの大正なのですね……。最後の最後に取ってつけたようにタイトル回収されても、全然納得感がないというのが正直なところです。

 

 もうひとつの物語については、アリス編の回想部分がそのまま現実の有栖百合花視点で語られるだけだったので、輪にかけて退屈でした。ここまでで周囲から完璧な存在として評価されてきた有栖百合花が、自身の所為で(自身が原因となって)生まれたグレーテルをドロドロに甘やかしてしまうところや、アリステアに愛を否定されて一人泣いているところなど、人間らしい部分が垣間見えたのは良かったですが。

 

 そもそもの話として、アリステアを精神的に追い詰めたのも、アリステアが他人格と話し合いをするために薬を飲んだ(そしてその結果昏睡状態に陥った)のも現実の有栖百合花のせい(ため)なのだから、眠りについてしまったアリステアを有栖百合花が救う、というのは盛大なマッチポンプ感を感じなくはなかったり。まあ野暮な突っ込みは置いておくとしても、これはお姫様(ありす)が王子様(交代人格たち)を救う物語であると同時に、あるいはそれ以上に、王子様(アリステア)がお姫様(有栖百合花)を救う物語だったのだなぁと思います。終わってみると、きれいに物語がつながっていて、各所の違和感も伏線としてきれいに回収されているので、シナリオとして非常に楽しめました。

 

  プレイ前と後とでキャラクターの好みは、こんな感じかな。結構順番が入れ替わっていますね。かぐやはシナリオが、アリスは口達者な毒舌キャラクターがそれぞれ好きです。

プレイ前
赤ずきん、白雪>かぐや、グレーテル>他

プレイ後
かぐや、アリス>グレーテル、赤ずきん>白雪>魔法使い>シンデレラ

 

 今回も選択肢についてはそれほど迷うことはなかったかなと思います。攻略対象全員分のグッドエンドを見る(対応する国で正しい選択肢を選ぶ)とグッドエンド到達。間違った選択肢ばかりを選ぶとバッドエンドに到達(未検証だけど、攻略対象のグッドエンドを一つも見ないことがバッドエンド到達条件?)。有栖百合花が自身の作り出したありすという人格に殺されるという結末で、有栖百合花の歪みというか、業の深さが表れていて好きなエンドでした。