炬燵の中でゲーム三昧

ゲームのプレイ雑記やあれこれ

幻想マネージュ

 Switch の恋愛アドベンチャー幻想マネージュ』を始めた……のですが、4 人クリアした時点で断念。あと 2 人でコンプリートだったのですが、どうしても自分に合わず。個別に記事を書くほど印象に残っていないので、一記事にまとめます。

 

幻想マネージュ - Switch

幻想マネージュ - Switch

  • 発売日: 2020/01/30
  • メディア: Video Game
 

 

 ※ 以下、ネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

共通ルート

 共通ルートは 序章 ~ 3 章。魔女である主人公が、魔法で移動遊園地レーヴに囚われた従業員たちを開放するために、魔法の覚醒をする傍らレーヴで働くという導入となっています。遊園地自体魔法で出来ているので、幻想的で夢の中のような世界観です。タイトルのマネージュはフランス語でメリーゴーランドを指すみたいですね。レーヴのマネージュは、この遊園地の目玉でもあり、ストーリーにも関わってきます。ストーリーは描写があっさり目でかなりさくさくと進んでいくので、良く言えばライトに楽しめる、悪く言えば粗が多く物足りないといった感じ。

 UI や背景などは、星をモチーフとしたパステルカラーでまとまっていて、ストーリーの幻想的な雰囲気とマッチしています。ただ、メッセージウィンドウの開閉時に毎回エフェクトがあるのが少々ストレス。エフェクト自体はそれほど長くないのですが、ノベルゲームの特性上、メッセージウィンドウの開閉回数が多いので。基本的には、選択肢による好感度の上限により物語が分岐するオーソドックスなノベルアドベンチャーですが、独自のシステムとして魔法を覚醒させるためのエヴェイユシステムというものがあり(エヴァイユはフランス語でそのまま「覚醒」の意味らしいです)、画面をタッチして星を集めるミニゲームとなっています。正直そんなに面白くない上、アナログスティックだと操作感が悪くストレスがたまるため、いまいち存在意義を見いだせませんでした。このミニゲーム自体、スキップできるしスキップしてもストーリー進行上問題ないので、あってもなくてもそんなに変わらないと言えば変わらないですが。4 章以降は、3 章終了時点で一番好感度が高いキャラクターに分岐するようです。好感度上昇時にエフェクトが表示されるほか、メニューから好感度ゲージも確認可能なので、攻略自体は簡単です。アルノールートだけ最初制限がかかっており、ヒューゴルートクリアで開放されます。

【プレイ時間】
序章:約 1 時間
1 章:約 40 分
2 章:約 40 分
3 章:約 40 分

個別ルート

ヒューゴ

 ボリューミーな髪型が常に気になって仕方がなかったヒューゴですが、真相に近いルートということで、ヒューゴルートの最後の 2 章ではレーヴの真実、かつて死に瀕したヒューゴを助けようとしたエマの魔法の暴発がレーヴに囚われることになった元凶であることが語られます。レーヴに囚われているのは厳密にはヒューゴの魂であり、魂が囚われることで瀕死の状況の中生きながらえていたため、レーヴを開放するということでヒューゴが死ぬことになるだろうと。前半のほんわかした雰囲気から、一気にシリアスな雰囲気に転向したのでかなりびっくりしましたが、第一印象に反して、ストーリーの骨子がしっかりしていて良かったです。それだけに、その骨子をうまく生かせていないというか、全体的に描写があっさりしすぎているのが残念。というか、エマが原因を作ったとはいえ、全ての元凶はヒューゴじゃないかという気しかしません。レーヴを開放することで生じる結果に対する責任と、魔法を行使することのリスクを、たった 17 歳の少女に全て負わせるの、控えめに言ってど畜生じゃありません?エマを良いように利用しているんじゃないかとアルノーがヒューゴに突っかかりますが、レーヴを開放することでヒューゴが死ぬ可能性が高いことを知ってあっさり引き下がるのも納得できません。だって、レーヴを開放した後、その責任やリスクに対してヒューゴ自身はフォローすることが出来ない、する気もないってことですよね?バッドエンドは、レーヴの開放に失敗し、エマとヒューゴ二人がレーヴに囚われ続け、幸せな旅を続けるという、ザ・メリーバッドエンドで、それなりに好きでした(魔法を行使することのリスクがしっかりと描かれているのでグッドエンドよりも説得力が感じられたんですよね……)。

 という感じで、ストーリーの骨子は良い反面、全体的に薄味で印象に残らない上、ヒューゴに関しては全く好きになれませんでした。

 【プレイ時間】
4 章:約 50 分
5 章:約 50 分
6 章:約 30 分
7 章:約 40 分
8 章:約 30 分

セルジュ

 人の心の機微に疎い堅物を地でいくセルジュが攻略対象。エマに対し個人的な関心や興味を持たなかったところから始まり、だんだんとエマに惹かれていくというのは王道ながら良かったです。王道過ぎて印象が薄い感はありますが、結構好きなルートでした。それまで、命の恩人だったヒューゴの言うことは何でも聞いていたセルジュが、エマのために初めて異を唱える場面も王道ながら良かったです。

  【プレイ時間】
4 章:約 30 分
5 章:約 50 分
6 章:約 40 分
7 章:約 30 分
8 章:約 1 時間 10 分

クリエ

 よくいるツンデレ枠かと、あまり興味がなかったのですが、プレイしたルートの中でダントツで良かったです!このゲームの苦手なところの一つが、このゲームの世界が主人公にとことん甘い(主人公の努力はさっくり報われるし、主人公の行動はだいたい肯定され、困っているとだいたい誰かが助けてくれる、などなど)ところなのですが、このルートではクリエとその双子の妹であるクララに焦点が当たっていたからか、全然気になりませんでした。クリエはクララがレーヴに囚われたことにずっと罪悪感を持っていましたが、それが却ってクララを怒らせ、クララに言われるがまま、妹離れするためにエマと恋人同士のフリをすることに。恋人のフリをする二人のがとても初々しくて可愛くて、恋人のフリから始まってだんだんと互いに惹かれていく二人、クリエがクララのためじゃなく自分自身の夢を見つめ直す過程がまた良くて(そしてクリエが照れたときの下野紘さんの演技がまた好きなんです……)。そんな感じで、クリエの物語としても、二人の恋愛物語としても楽しめ、エンディングも、クララがレーヴに囚われ眠っていたおかげでその間に医療が発達し助かるという説得力のあるもので良かったです。何よりクララが可愛いし、良い友達過ぎる……!クリエルート中、ずっとテンション上がっていました。

 【プレイ時間】
4 章:約 40 分
5, 6 章:約 1 時間 20 分
7 章:約 40 分
8 章:約 30 分

リヨン

 クリエルートで上がったテンションを地の底まで落としてくれたルート。登場キャラクターの中でおそらく一番年少にもかかわらず、精神的には一番大人な感じで好きなキャラクターなのですが、ストーリー部分がどうしてこうなった……。リヨンはレーヴに囚われる前に既に死んでいる、つまりレーヴが開放されたらこの世にいることができないという、レーヴメンバーの中でもおそらく一番過酷な状況に置かれています。リヨンは本編開始当初そんなことは露とも知らなかったので、自分の置かれた状況を知ったときの心情はいかばかりか、伺い知れないほどなんですが……。なぜか、当人のリヨンではなくエマの方がひどく落ち込み、リヨンが慰める側に回るんですよね……。なんで?落ち込むのは仕方がないにしても、当人に慰めさせるってどういうこと?どこまで主人公に甘い世界なの?という感じでテンションがだだ下がり。エンディングも、エマが禁術である死者蘇生を試み、本来エマが負うはずだった代償(これまでの記憶)をリヨンが支払い、リヨンが生き返るというご都合展開。死者蘇生に失敗したエマが幸せな夢を見続けるバッドエンドの方がずっと説得力あります。もうこのルートが本当に耐えられなくて。後半未読スキップもかなり多用していたので、あと残るは 2 人だけだったのだけどここでゲーム自体断念。

  【プレイ時間】
4 章:約 30 分
5 章:約 30 分
6 章:約 30 分
7 章:約 40 分
8 章:約 30 分

総評

 総じて、シナリオの骨子は良いのに、それがいまいち生かせていない作品、と言う感じで自分には合いませんでした。ほんわかした幻想的な雰囲気から中盤以降、一気にシリアスな雰囲気に叩き落されるギャップも結構好きだっただけに残念です。全体的に文句が多くなってしまいましたが、幻想的な雰囲気、世界観は作り込んであるし、ストーリーの骨子は良いので、刺さる人には刺さると思います。私の場合は、自分の好みに合った作品か事前に十分調べてなかった自分が圧倒的に悪いので反省です……。

 最後に一応好きなキャラクターの順をメモ。

プレイ前
ルシオール>セルジュ>リヨン>クリエ>ヒューゴ、アルノー

プレイ後
クララ>>クリエ>セルジュ、リヨン>>>>ヒューゴ
ルシオールとアルノーは未プレイのため除外)