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ゲームのプレイ雑記やあれこれ

蛇香のライラ その3 (第三夜 ライザール・ジェミルルート)

 PC 版『蛇香のライラ Allure of MUSK 第三夜 アラビアン・ナイト』、蛇香のライラの最終巻です。思ったよりも時間が空いてしまいました……、プレイ時間自体はこれまでと同様それほど長くはないんですけど、単純にプレイする時間がなかった(最近ノベルアドベンチャーを連続でプレイしている所為で若干ダレている感は否めない)。

 内容としては、多分三巻の中で内容が一番濃かったです。第一夜、第二夜でもかなり存在感があったライザールとジェミルが攻略対象でしたが、どちらも芯がしっかりとした魅力的なキャラクターで楽しめました。

 

蛇香のライラ ~Allure of MUSK~ 第三夜 アラビアン・ナイト
 
蛇香のライラ ~Trap of MUSK~ - Switch

蛇香のライラ ~Trap of MUSK~ - Switch

  • 発売日: 2019/09/19
  • メディア: Video Game
 

 

 ※ 以下、ネタバレを含みます、ご注意下さい。

共通ルート

 今回の依頼者は、シャナーサ王国の国王ライザールの婚約者。依頼人が恋人と駆け落ちするのを助けるため、逃亡し切るまでシリーンがライザールの婚約者のフリをすることに。しかし、ライザールは警戒心が強く、一筋縄ではいかない、頼みのヘナ・タトゥーも即座に看破、無効化される始末。しかも、シリーンの弟分のジェミルはどうやらライザールの暗殺を依頼されているようで……。といった感じで、ハラハラさせられる展開から、それぞれのルートに分岐していきます。

プレイ時間:1 時間 50 分

ライザールルート

 メインヒーローポジション(?)だけあって、ライザールは滅茶苦茶格好良かったです。他の攻略対象みたいに序盤からシリーンに対して好意的という訳でなく、疑念を抱きながら接してくるので、その辺りの駆け引きがプレイしていて楽しかったです。国を富ませるためという行動理念がはっきりしていて、それがすごく良いんですよね。国王としてすごく人ができてると思いながらプレイしていたら、実は王族じゃなくて義賊であるライラ・ヌールが本物の国王と入れ替わっていたという事実が判明してびっくり(公式サイトで「シーク」と紹介されているのが不思議だったんですが、そういうことだったんですね)。登場した王族の中で誰よりも王族っぽいのに……。また、入れ替わり以前にシリーンとも出会っていることも判明し、フリではなく本当の意味で結ばれることに。ただ、カルゥーが死んでしまったのは辛かったです……。

プレイ時間:1 時間 40 分

ジェミルルート

 ジェミルルートでは、シリーン、ジェミルがともに暗殺者仲間としてライザールに捕まる展開になりますが、尋問シーンが暴力表現的な意味で痛々しかったです。なんやかんやありつつもジェミルがライザールの取引にのり、手を組む展開は好きでした。ジェミルにとって店長<<<<シリーンなのは見ていて明らかですし、ライザールもそうですがジェミルも行動原理に芯が通っていて共感しやすいんですよね。それから鈍いシリーンに対してやきもきしているジェミルが可愛かったです。それにしても、ジェミルは第一夜から明らかにシリーンに好意を寄せている態度だったので、あくまでもジェミルを弟扱いするシリーンが鈍すぎる気が……(一応、店長による洗脳の影響と考えることはできますが、納得できるかは別ですね)。最終的には、ジェミルがシャナーサ王国の正式な跡継ぎであることが判明して、戴冠とともにシリーンと結婚するハッピーエンド、王道ながら良かったです。あと地味にライザールがジェミルを隠し子としてしれっと紹介するシーンが好きです。難点を上げるとすれば、シリーンが、ジェミルを弟としてではなく、男性として意識するに至った過程がいまいち分からなかったことでしょうか。

プレイ時間:2 時間

二重スパイルート

 二重スパイルートと言いつつ、実質的には真相ルートかな?シリーンは生まれたときから店長の実験台で、記憶を改ざんされて店長に服従するよう洗脳されており、店長の背後にいた黒幕の正体が、シリーンが親友だと思っていたアイーシャということが判明します。自分の信じていた過去がすべて嘘だったという、シリーンにとってはなかなかに辛い真相でしたね。そして、この黒幕については全然気づいていませんでした……。シリーンと同じように店主に保護されたはずのアイーシャ密偵として働いていなかったのとか不思議だったんですけど、伏線だったんですね。物語上の扱い的には店長の方が断然優遇されているので、パメラにしろ美欄にしろ、このアイーシャにしろ、もう少しサブキャラクターの扱いはどうにかならなかったのでしょうか。ともあれ、店長と協力して不老不死の薬の研究に腐心し、シリーンの血を材料に完成させた薬で若返りを果たしたアイーシャですが、シリーンがライザールとジェミルに恋をしていたおかげ?で、薬の作用が上手く働かず、(おそらく本来の年齢である)老婆の姿に変貌してしまうことに。無事に黒幕であるアイーシャが倒され、ジェミルは本来の身分に戻り、めでたしめでたしなルートでした。ラストシーンで、ライザールとジェミルがシリーンを巡って喧嘩しているシーンはプレイしていて微笑ましかったです。それにしても、これまでのルートで恋をしたシリーンがあっさり店長から解放されていたのは文字通り(薬の材料として)役に立たなくなったからなんですね(洗脳する技術があれば関係無い気もするのですが、突っ込むだけ野暮ですかね……)。

プレイ時間:1 時間 40 分

総評

 第一夜から第三夜までプレイしてきましたが、この第三夜が一番盛り上がりのある展開で楽しめました(物語としての勢いがあったおかげで、細かい粗が気になりにくかったのも良かったです)。第二夜も好きなんですが、第二夜が攻略対象との関係性の変化にフォーカスを当てて(比較的)丁寧に描いているシナリオなら、第三夜はハラハラする展開の中で攻略対象との絆が深まっていく王道的なシナリオ、という感じでどちらも好きです。

 蛇香のライラという作品全体に関しては、まぁ言いたいことは色々あるんですが、なんだかんだ楽しめましたし、雰囲気やキャラクターは魅力的なので構えずにさっくりプレイするゲームとしては良いかなぁといったところです。公式サイトなんかの情報からある程度覚悟はしていたけど、想像以上に主人公のシリーンが肌に合わなかったのが個人的には辛かったです。ぶっちゃけてしまうと、シナリオの雑さとか、官能シーンがやや唐突なところとか、不老不死の薬の材料として性的に興奮した男性の血が必要みたいなアレな設定とか思い返すに、安っぽいエロゲ(実際そういうゲームプレイした訳ではないからイメージで申し訳ないけど)からエロ抜いた中途半端なゲームのように感じてしまったので、普通に R18 ゲームとして作った方が良かったんじゃないかなぁと思わないでもないです、はい。

 あと、全三巻フルコンプ特典シナリオが、本作のキャラクターを使った同社の別作品のパロディというのも個人的にはいまいち。パロディ元の作品のことを全く知らなかったし、本作品の良さであるキャラクターも崩壊していて、何が面白いのか分からなかったです。販促か何か知らないですけど、本作もパロディ元の作品も雰囲気ぶち壊しで、誰得なんだろうと思ってしまいました。

 好きなキャラクターの順を挙げるなら、

プレイ前
皇驪、ロラン>希驪>ジェミル>ライザール>ヴィンス

プレイ後
皇驪>ロラン、ライザール≧ジェミル>ヴィンス>希驪