炬燵の中でゲーム三昧

ゲームのプレイ雑記やあれこれ

Tlicolity Eyes -twinkle showtime- その1(Vol. 1 チヒロ、マサト)

 『Tlicolity Eyes -twinkle showtime-』(Switch)プレイ中です。「蛇香のライラ」、「片恋いコントラスト」とオトメイトの triAngle PROJECT の三つのゲームのうち二つをプレイしたので、せっかくだから残りの一つもプレイしようかな、という安直な理由ですが。とりあえず公式ホームページを覗いた第一印象はキャラクターのイラストが良いさらちよみ先生という方がキャラクターデザインを担当されているらしいのですが、主人公たちは可愛いし、攻略キャラクターは格好良いしで、滅茶苦茶好みな絵柄です。あと、購入してから気がついたのですが、松岡禎丞さんが声を担当されているキャラクターがいて、「大正×対称アリス」で松岡禎丞さんの大ファンになった私は一人ガッツポーズを決めていました。

 舞台は、現代からほんの少し未来の話。人口の三割程度が「能力」を持つ世界。このゲームの主人公たちは、他人のステータスを一時的に増強させる代わり、異性に使うと相手を「トリコ」にしてしまうという副作用のある能力を持っていて……。この設定だけ見て、なんちゃって能力ものの恋愛コメディだと思って軽い気持ちで Vol. 1 をプレイしたのですが、思っていたよりもずっとシナリオ部分がきれいにまとまっていて、キャラクターの魅力もしっかりと描写されており、良かったです。他の triAngle PROJECT の作品同様、PC で Vol. 1 ~ 3 の分作形式で販売されていたものが Switch 移植時に一作にまとめられたもので、ボリュームも少なめではあるのですが、短いながらも明るくサクッと楽しめる恋愛コメディ作品としてよくまとまっていて楽しめました。主人公たちの能力の副作用で「トリコ」になった攻略キャラクターたちにドキドキしつつ、主人公たちをめぐる三角関係を楽しむ、という作品のコンセプトが非常にはっきりしていてぶれないので、それが良かったのかなとも思います。なんちゃって能力ものなのは最初の印象通りで、ツッコミどころも探せばいくらでもあるので、作品のコンセプトが合わないと楽しむのが難しいとは思います。

 この作品で面白いのは、Vol. 1 ~ 3 で、それぞれ三人の姉妹が別々に主人公として設定されていて、主人公の背景がそれぞれ違っている分、物語の雰囲気も違ってくるところかなと思います。Vol. 1 の主人公、三女の桜は、末っ子らしく愛されて育った素直さと、努力家で前向きな性格が合わさってとても好感が持て、さらちよみ先生のキャラクターデザインも相まって非常に可愛らしい!攻略キャラクターももちろん魅力的ですが、主人公が魅力的だとプレイするのが一層楽しいです。

 プレイ前の気になるキャラクターとしては、
【攻略キャラクター】ヨウスケ>ユウ>コウ>マサト>チヒロ>ワタル
(声優だけ見るなら断然コウ)
【主人公】棗>桜>葵

 

Tllicolity Eyes -twinkle showtime-  Switch

Tllicolity Eyes -twinkle showtime- Switch

  • 発売日: 2019/07/18
  • メディア: Video Game
 

 

 ※ 以下、ネタバレを含みますので、ご注意下さい。

 

 Vol. 1 は、主人公の桜が映画のエキストラに参加したことをきっかけに、芸能人事務所に勧誘され、映画のヒロイン役に大抜擢されるところから始まります。リアリティも何もないとんでも展開ですが、そういうノリの作品なので良いんです。攻略対象は、事務所の先輩で、映画の相手役の翠川チヒロと、桜を女優として芸能界に引っ張り込んだ張本人であり、事務所の社長でもある小野沢マサト。それぞれの個別ルートと、主人公をめぐる三角関係が楽しめるトリ愛ルートの三つのルートが用意されていて、個別ルートでは主人公と攻略キャラクターの恋愛過程が描かれる一方、トリ愛ルートではなかなか攻略キャラクター二人からの好意に気づかない桜を中心とした三角関係の恋愛コメディとなっていて、それぞれ楽しめました。

【プレイ時間】
Prologue
Chapter 1:30 分
Chapter 2:30 分
Chapter 3:1 時間

 

翠川チヒロ

 俺様系?というのかな。初めは桜のことをミーハーな素人と邪険にしたチヒロですが、桜の努力や才能を次第に認めていきます。好感度マイナスな状態から、徐々に絆を深めていくという展開が王道ながら好きなんですよね。

 中盤は、チヒロの持つ能力や家庭の問題に焦点が当たり、想像していたよりもシリアスにな展開になってびっくりしました(完全にコメディ作品だと思っていて油断していました)。チヒロの持つ能力は一時的に他人を思い通りに操作できること。能力を持つ姉妹や能力を肯定する友人たちに囲まれて育ってきた桜とは対照的に、能力によって父親から恐れられてきたチヒロですが、そんな対照的な二人だからこそ、お互いの足りない部分を補い合い、チヒロと父親との和解に繋がる展開も良かったです。能力を恐れる人たちの気持ちも受け入れつつも、チヒロの能力をも肯定する桜の懐の太さというか、おおらかさ、素直さがあったからこそ、チヒロは救われたし、桜に恋に落ちたのだろうなと、ボリュームが少ない中でも二人の恋愛過程が描写されていて良かったです。

 終盤、主人公とチヒロが恋人関係にあることがスキャンダルとして報道され、窮地に陥りますが、これまで支えてくれたファンに不誠実な態度は取りたくないと、真実を公式に発表することに。この辺り、桜と出会ったからこそのチヒロの成長振りが見えて良かったです。結果として、主人公とチヒロが能力者であることや恋人同士であることが割とあっさり周囲に受け入れられるため、修羅場としては物足りないかもしれないですが、こういう明るい雰囲気の作品に、バッドエンドや必要以上にシリアスな展開は期待していないし、求めてもいないので、大団円ですっきり収まって満足です。

 それにしても、恋人関係になる前と後のチヒロの態度の変貌ぶりがすごい。恋人になる前の素直になれずもだもだしている感じも良かったけれど、恋人になった途端に滅茶苦茶情熱的に。出演作品の相手役にまで嫉妬してしまうチヒロが可愛かったです。

【プレイ時間】
Chihiro
Chapter 1:10 分
Chapter 2:20 分
Chapter 3:10 分
Chapter 4:20 分
Chapter 5:10 分
Chapter 6:20 分
After Story:10 分

 

小野沢マサト

 優しくて、気遣いもできて、それでいて叱るときは叱ってくれる、頼りになるお兄さん。チヒロと対照的に、出会った直後から桜に好意的で不思議だったのですが、マサトの持つ能力が原因だということが徐々に明かされます。マサトの能力は相手の言葉の真偽を見極めること。嘘にまみれた世界に、そして芝居にも疲れたマサトにとって、嘘偽りのない素直な桜は特別だったのだと。チヒロが割とチョロかった(失礼)分、マサトはガードが固い固い。恋人同士になっても、なかなか本心をさらけ出してはくれず、それが二人の関係に亀裂を入れることになりますが、嘘をつかれ、裏切られても、マサトが好きだという気持ちに嘘をつかずぶつかっていく桜が滅茶苦茶良かったです。チヒロルートでもそうですが、桜が桜だからこそ、二人が惹かれるというのがすごく伝わってくるのが好きです。 桜の二度目の告白に「自分の心に嘘はつけないんだな」としみじみとつぶやいて桜を受け入れるシーン、初めはなんとも思わなかったんですけど、マサトの能力が発覚した後に思い返すとずっしりと来ます。嘘に囲まれ、自分自身も嘘にまみれて生きてきたマサトが、桜のまっすぐさにどうしようもなく惹かれたんだなぁと。

 マサトの言う通り、桜の能力の副作用は現実的に考えるとかなり危険だし、周囲との人間関係を崩壊させかねないと思うのだけど、割とぽんぽん能力が使われるので、ふと冷静になると不安でそわそわしてしまいます。まあ能力を使わないと物語が進まないし、桜なら良いかと許せてしまう。桜というキャラクターが、完全に善意で能力を行使している上、嫌味がないんですよね、むしろそこが桜の魅力(善良さや素直さ)にもなっていて良い塩梅だなぁと思います。

 最後、芝居に疲れ、現場から退いていたマサトが俳優として返り咲くという展開はベタながら良かったです。本人の申告通り、マサトの愛は滅茶苦茶重そうですが、桜ならうまくやっていけるという安心感があるので、二人で幸せになっていくのでしょう。

 【プレイ時間】
Masato
Chapter 1:15 分
Chapter 2:25 分
Chapter 3:15 分
Chapter 4:15 分
Chapter 5:10 分
Chapter 6:20 分
After Story:10 分

 

トリ愛

 個別ルートのシリアスさはどこへやら、コメディ全振りで、しょうもないことで対抗心を燃やすチヒロとマサトに終始ニヤニヤしっぱなしでした。桜からもらったカップケーキがどちらが大きいかやら、役作りにかこつけた桜の取り合いやら、能力を掛けてもらっての口説きやら……。そして、そうやって向けられる好意に全く気が付かない桜。いずれはこの三角関係に決着をつける日が来るのかもしれませんが、対抗心を燃やしつつもなんだかんだ仲の良いチヒロとマサトの関係性も含め、この三人の関係性が長く続いて欲しいなとも思えるルートでした。

 【プレイ時間】
Tlieye
Chapter 1:30 分
Chapter 2:30 分
Chapter 3:20 分
Chapter 4:20 分
Chapter 5:10 分
After Story:5 分