炬燵の中でゲーム三昧

ゲームのプレイ雑記やあれこれ

DEATH STRANDING その21

 『DEATH STRANDING』、やっっっっとクリアー!プレイ時間は 69 時間と、昨今の大作ゲームとしては短めですが、ラストのイベント & ボス戦ラッシュで実際以上に長く感じました。

 クリアしての感想はやっぱりゲーム部分である配送がしっかり作り込まれていて、中毒性が高く面白かったです。世界観やメッセージ性のゲームへの落とし込み方も秀逸でした。ストーリーは面白かったけれど、物語の魅せ方の部分が自分にはちょっと合わなかったです。一つは、せっかくムービーが多く、そのクオリティも高いのに、物語や世界観、設定が台詞だけで説明されてしまう部分が多いこと。それによって、没入感が削がれるとともに、物語がキャラクターが薄く感じてしまいました。特にキャラクターについては、そのキャラクターの設定ばかりが先行して、あまり掘り下げられていなかった印象。俳優さんの演技や、それを緻密に再現している映像は本当に素晴らしいんですけどね。もう一つは、ゲームとして、物語として、「繋がり」がくどいくらいに肯定され続けること。「繋がり」を大事にすることをテーマとしているので間違ってはいないんですが、単純にくどいのと、「繋がり」に反対の立場の意見(ひいては本作のテーマを肯定的に捉えられない人々)に対しては基本否定的なので、メッセージが一方通行というか、押し付けがましく感じてしまいました。「繋がり」をテーマにしているのに、それ以外の意見を排斥し、閉じた世界になってしまっているように思います。

 とはいえ、なんだかんだクリアするくらいには楽しんだので満足です。道中は寄り道をそこそこ挟んだので、もっと早くクリアしようとすればできるし、もっとやり込もうと思えばそれもできる感じ。配送先の親密度をすべて MAX にするとか、国道をすべて復旧するとか、ジップラインなどを建設して配送ルートをより最適化していくとか、いろいろやろうと思えばできますが、ストーリーをクリアして満足したので、このゲームについてはここで終了です。

 

【PS4】DEATH STRANDING

【PS4】DEATH STRANDING

  • 発売日: 2019/11/08
  • メディア: Video Game
 

 

 ※ 以下、ネタバレを含みますので、ご注意ください。

 

 エピソード 12 ブリッジズ ~ エピソード 15 明日は君達の掌に。

 

 戦場から戻り、ポート・ノットシティに運ばれたところから再開。フラジャイルがヒッグスから聞いたところによると、ラスト・ストランディング(世界の消滅)はアメリが画策したものだということです。アメリのビーチへ赴き、ラスト・ストランディングを止めるため、まずはキャピタル・ノットシティの隔離病とで昏睡状態のフラジャイルのもとへクリプトビオシスを配送することに。道中では、かつてプレイヤーが設置した建物はすべて時雨の影響で破壊されており、ストランディングシステムにより同期される他プレイヤーの建設物が頼りになります。最後の最後でプレイヤー自身に繋がりを感じさせる仕組みになっていて、上手いです。この配送では、強制で大型 BT 戦が三回挟まれ、一、二回戦目は座標地帯から逃げ切ればよいものの、キャピタル・ノットシティを目前とした三戦目では鯨のような超大型の BT を撃退する必要があります。しっかり攻撃を避けつつ攻撃を当てていけばよいのですが、体力がとにかく多くて、ついつい攻撃を欲張って何度かゲームオーバーになってしまいました。

 大型 BT を退け、クリプトビオシスを届けることで、フラジャイルも復帰。アメリを止めるため、サムが単身アメリのビーチへ赴くことに。そこでは、アメリがサムを待っており、アメリがブリジット大統領から切り離された魂(カー)だけの存在であること、ラスト・ストランディングを引き起こす絶滅体であることが明かされます。ラスト・ストランディングを止めるためにアメリを世界から切り離すか、アメリとともにラスト・ストランディングを見届けるかの選択を迫られます。この場面、銃を渡されるのもあって、初見時はアメリを撃ってしまったのですが、弾はアメリに当たらず、そのままゲームオーバーになってしまいました。二回目、銃をしまってアメリに近づくことで、アメリを抱きしめることができるのを発見。こちらが正解のようです。アメリとの繋がりを断たないというサムの選択により、アメリがサムからも世界からも繋がりを断つ決意をするというのはやりきれないですね。

 アメリから切り離されたサムは、一人ビーチに放り出され、当て所なくさまようことになります。ところどころエンディングと思われるスタッフロールやイベントが挟まれて結構長くてぶっちゃけ退屈なシーンなのですが、クリア後のドキュメントから、魂(カー)だけになってラスト・ストランディングと一人向き合うアメリの孤独の疑似体験であることが分かって、よくできているなぁと。そうそうにながらプレイに切り替えてしまっていたので申し訳ないちょっと気持ちになりました。やがてどこからかブリッジズのメンバーとフラジャイルの声が聞こえてくるとともに、空に浮かぶ 5 体の人影が出現します。過去に起きた 5 回の大規模なデス・ストランディング(ビック 5)と関係あるのかな?と思いましたけど、過去に起きたデス・ストランディングは必ずしも人類に関係していないはずなので、サムを助けに来たママー、ロックネ、ハートマン、フラジャイル、デッドマンの 5 人を表しているのでしょうか。とにかくブリッジズのメンバーとフラジャイルの助けにより、サムは再び現世へと帰ってくることができます。

 

 サムの帰還後、ダイハードマンが UCA の大統領に就任。就任演説後、クリフォードの殺害についてサムに懺悔するダイハードマン。愛するブリジットのために、愛するクリフォードを殺してしまったこと、そしてクリフォードにその罪を赦されてしまったことが彼の心を苛みます。このゲームではあまりキャラクターが感情をはっきり表に出さないので、このダイハードマンが心の内を吐き出し、泣き崩れるシーンはとても印象的で好きです。クリフォードに赦されてしまった分、サムに自分を責めて欲しかったのか。サムにまで赦されてしまったらそれこそ気持ちのやり場がないだろうに、それでも懺悔せずにはいられなかったのか。

 サムが大統領の就任式を見届けたあと、デッドマンからルーは廃棄処分するしかないと聞かされます。デッドマンは、ゲーム上の役割としては完全なるミスリード役でしたけど、なんだかんだ憎めない良いキャラクターだったなぁ。はじめ、赤ん坊は嫌いだ、BB は単なる道具だと言っていたのが、ルーと名前で呼ぶまでになっていたり。サムに対しても、なんだかんだ世話を焼いてくれて、互いにハグするくらいに親密になっていたり。サムがブリッジズにとって欠かせない人材であると分かっているはずなのに、サムがブリッジズから離れるという選択肢を与えてくれたり。

 

 ひとりルーを抱え、焼却所へ向かうサム。いちプレイヤーとしてもルーを焼却処分するのは嫌だなぁと思いながら焼却所に到着したのですが、やはりサムはルーを焼却することができず。ここで、サムは、クリフォードとサム自身の別れ際の記憶を思い出します。サムはクリフォードの息子で BB として実験対象であったが、実験から守るためクリフォードによって連れ出され、クリフォードが殺害された際にサムも一旦死亡。アメリによってビーチで発見されて以降は、BB としての機能は失われ、アメリの養子として育てられることに。これまで、ルーと接続された際に見ていたのは、ルーではなく、サム自身の記憶だったんですね。

 ルーを諦められないサムは、ルーをポットから取り出します。BB がポットの外で生きられる可能性は低い、しかしルーは奇跡的に息を吹き返しますアメリ(死者)との繋がりを断たれたサムが、ルー(赤ん坊=生者)との繋がりを得たというというところで、ストーリーは終了。

 

 ゲームとしては、エピソード 15 として、エンディングからダイハードマンの大統領就任前まで時間が遡り、引き続きプレイをできますが、ストーリーをクリアして満足したのでここで終了。

 

 そう言えばヒッグスに関して、クリア後に開放される彼の手記から、彼が幼い頃に養父から暴力を受けてきたこと、能力を高めるために殺人を犯していたことが分かります。幼少期の境遇から「繋がり」ではなく「暴力」という力に意味を見出し、それを求めてきたヒッグスが、アメリの持つ「世界を消滅させる」という圧倒的な「暴力」に囚われてしまったのは必然かもしれません。ただ、この設定は本来ストーリー内で表現しないといけなかったんじゃないかなぁ。ストーリー本編だけだと、「繋がり」に否定的な人間をただただ「敵」としてしか扱っておらず、その「敵」を撃退する、ブリッジズにとって理想的な「繋がり」を実現するためにそれを阻害する要因(ヒッグス)を排除することがエンディング直前までの目的だった訳でです。結局、「繋がり」の実現のために人柱となった存在(アメリ、BB)についても有耶無耶になっているし(一応アメリについては、ダイハードマンの演説で触れられていましたが)。その所為で、最後まで「繋がり」を大事にするというメッセージが薄っぺらなものにしか感じられなかったんですよね。

 

クリアした依頼
[依頼 No. 68] キャピタル・ノットシティ[K2]の隔離病棟へクリプトビオシスを配送せよ(評価 B)
[依頼 No. 69] "彼女"のビーチへ(評価 S)
[依頼 No. 70] BBを焼却所へ運べ(評価 S)

LEGEND 数:101

現在のグレード:ブリッジリンク 80、速度 21、数量 59、サービス 66、安全性 57、配達人グレード 283(グレート・キャリアー)

現在の総プレイ時間:約 69 時間

獲得トロフィー(クリア時トロフィー獲得率 72 %):
・"彼女"がビーチで待っている(”エピソード12:ブリッジズ”をクリア)
・ありがとう、サム(”エピソード13:サム・ストランド”をクリア)
・これまで、ありがとう(”エピソード14:ルー”をクリア)