炬燵の中でゲーム三昧

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片恋いコントラスト collection of branch 感想

片恋いコントラスト collection of branch」(Nintendo Switch、PC(分作)) 
オトメイトアイディアファクトリー
(女性向け恋愛アドベンチャー

片恋いコントラスト -collection of branch - Switch

片恋いコントラスト -collection of branch - Switch

  • 発売日: 2019/08/22
  • メディア: Video Game
 

 

- 満足度:★★★★ 4.0

- 総評:★★★☆ 3.5

- シナリオ:★★★☆ 3.5
- キャラクター:★★★☆ 3.5
- イラスト:★★★☆ 3.5
- システム:★★★★ 4.0

良かった点
丁寧な恋愛描写、学園もの王道恋愛少女展開が楽しめる

悪かった点
スチルのクオリティがやや低い

プレイ状況
エンディング フルコンプ

プレイ時間
一周 5 ~ 7 時間、フルコンプで 20 時間程度

作品情報

片恋いコントラスト collection of branch』は 2018 年に第一巻 ~ 第三巻の分作でオトメイトにより発売された女性向け恋愛アドベンチャーゲームで、選択肢によって分岐していく、シンプルなノベルアドベンチャーゲームです。2019 年には全三巻が一本のゲームとして Nintendo Switch に移植されており、今回プレイしたのはこちらの移植版です。キャストは、
- 椎葉亜樹那:緑川光
- 樫永和兎:日野聡
- 檜渡鈴太郎:近藤隆
- 桐阪保:森田成一
- 楠見清孝:鳥海浩輔
- 楡居凪:吉野裕行

物語

 本作は、中高一貫校を舞台とした学園恋愛もので、高校に進学したての人付き合いが苦手な主人公、冴子(名前変更可能)が、大好きなラジオ番組をきっかけに、新たな出会いを経験することになります。

少女漫画的な王道展開と丁寧な恋愛描写

 往年の少女漫画を思い出せる少女漫画的な王道のシナリオとなっています。特筆すべきは、非常に丁寧な恋愛描写、心情描写で、等身大のキャラクターたちによる思春期特有のもどかしさ、ままならなさに振り回される恋愛模様が本当にプレイしていて楽しかったです。冴子はどちらかというとネガティブなタイプなのですが、思春期を経験してきた人なら共感できるんじゃないかな?という等身大な悩みや不安を抱えた女の子として描かれていて、見ていてもどかしいながらも感情移入してしまう絶妙さが良かったです。

 とはいえ、少女漫画が苦手な人はとことん合わないと思うので注意。

二つの恋からなる物語

 本作で特徴的なのが、その物語の構成となります。恋愛アドベンチャーでおなじみの個別ルートが存在せず、「初恋編」、「傷恋編」の二つの恋を経て、選んだ選択肢に寄って結ばれる相手と結末が変わってきます。個別ルートはないものの、「初恋編」、「傷恋編」でそれぞれの攻略対象への想いや関係性の変化が丁寧に描かれており、冴子が相手に惹かれ揺れ動く様子が伝わってきて、とても楽しめました。基本的な物語の流れは変わらないのに、冴子の選択によって結末が変わってくるというのも、木の枝葉のように広がる可能性から、自分で未来を掴み取るという感じで好きです。

個人的に気になった点

 不満らしい不満はあまりないのですが、強いて挙げるのならスチルのクオリティがやや低いように感じました。パッと見てバランスが悪いように感じるスチルが多かったです。立ち絵の方は綺麗なだけに少々気になりました。

まとめ

 少女漫画的な恋愛アドベンチャーというコンセプトがはっきりとしていて良かったです。思春期特有のもどかしさにもだもだしながらも、丁寧な心情描写で物語に入り込め、とても楽しめました。物語の面白さは、シナリオの壮大さや、キャラクターの個性の強さだけじゃないんだなぁとしみじみ。

 

 ※ 以下、ネタバレ有りの個人的な感想になります。

 

  

【好きなキャラクター】

プレイ前
桐阪、樫永>楡居>椎葉、楠見>檜渡

プレイ後
楡居≧桐阪≧樫永>楠見>椎葉>檜渡

 

 以下、キャラクター別の感想となります。

 

椎葉亜樹那

 友人関係から始まって恋をして、今の関係を崩したくない、なかなか前に踏み出せないと悩む冴子が甘酸っぱくて好きでした。亜樹那自身は裏表のなさそうな第一印象と裏腹に面倒くさい人。自分は幸せになっちゃいけないという強迫観念と和兎への信頼ゆえとはいえ、自分が振った相手に親友を彼氏として薦めるのはどうかと思うんです……。互いに互いの良いところを認めあっている亜樹那と和兎の関係は好きです(終盤は亜樹那と冴子の物語というより、亜樹那と和兎との物語になっていたような気もします)。


樫永和兎

 王子様と呼ばれながらも、実際には他人に嫌われるのを恐れて八方美人に振る舞っている人。物事を難しく考えてマイナスの方向に思考が傾いてしまうのが人間らしくて好きです。ちょっとひねた考え方をするところも含めて根の性格は冴子と一番近いんじゃないかな?親友へのあてつけと言いつつ、冴子への気持ちをなかなか自覚できずに振り回されてしまっているところとかも良かった。自分はヤキモチを妬いているのかな?って冴子に聞いちゃうシーンがかなり好き。終盤、冴子への気持ちを自覚して、周りの目線に振り回されないように成長したところは格好良かったです。


檜渡鈴太郎

 自分の気持にとても正直な後輩キャラ。若さゆえの真っ直ぐさがとても眩しいです。一方で、その若さと未熟さのために冴子とすれ違ってしまう展開はもどかしい。個人的には若いというより幼い印象が強く、ちょっと苦手。ただ、鈴太郎のルートは、冴子の成長物語であると同時に鈴太郎の成長物語でもあってシナリオとして良かったです。あと近藤隆さんの演技が好き。


桐阪保

 普段は飄々とした態度なのに、好きな女の子に対して誰よりも誠実なのが滅茶苦茶良かったです。なんでもかんでも計算ずくで行動していて、人付き合いも仕事もスポーツもそつなくこなす完璧に思える人なのに、大半のルートで他の男に冴子を掻っ攫われるという、肝心なところで抜けている(冴子を一番最初に好きになったのも、冴子が人付き合いに前向きになれるよう仕向けたのも先輩なのに)のですが、そんなところも良い。冴子を傷つけた鈴太郎に対してしょうもない嫌がらせするところとか、それでも冴子が鈴太郎を選んだときには祝福してくれるところとか、先輩の人となりが垣間見えて好きです。少女漫画だと絶対主人公と結ばれない脇役タイプだけど、このゲームなら結ばれるルートがあるから幸せになって欲しい……。デフォルト名のときに「さえちゃん」呼びなのが個人的につぼ。


楠見清孝

 CV:鳥海浩輔さん。これに尽きます。生徒に思わせぶりな態度を取っては突き放すわ、かと思えば他の男の影が見えたらちょっかいを出すわで、正直キャラクターとしてはちょっと……。なまじシナリオや世界観がリアル路線なだけに、教師として、大人としての駄目さ加減がものすごい。でもやっぱり鳥海さんの演技が好き。


楡居凪

 顔を合わせれば喧嘩ばかりの関係から、少しずつ距離が縮まっていっていく過程が丁寧に描かれていて、とても良かったです。友人から恋人に関係が変化するというよりも、一つずつ関係を積み上げていく感じが好き。キャラクター単体なら桐阪先輩や和兎の方が好きなのだけど、冴子との関係性が断トツで良いです。アフターストーリーでも、隣に並んで一緒に前に進んでいく様子が描かれていて、そのまま幸せになれ!と応援したくなります。