炬燵の中でゲーム三昧

ゲームのプレイ雑記やあれこれ

Cendrillon palikA プレイ日記#1:シエン・ユーレンルート

 「Cendrillon palikA」プレイ開始。 プレイしての第一印象としては、とにかく画面がきれい! 透き通るような色調で統一された画面、ガラスをモチーフにした UI、SE と、ゲーム全体の雰囲気がかなり凝っていて良いです。

Cendrillion palikA - Switch

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 ※ 以下、ネタバレ注意。

 

シエン

 パッケージを飾っているだけあって、メインヒーローらしく王子様然としたお兄さん。 と思っていたら本当に王族だった。 「涙」をテーマとしているだけあって、涙のシーンはスチルも相まってとてもきれいでした。 こういう穏やかで優しく、めったに負の感情を表に出さないキャラクターが涙を見せるシーンは思いの外ぐっときますね。
 透京の王族でありながら、あらぬ罪を着せられ追い出された苦労人。 リンドウの黒幕感がすごいですが、あの人攻略対象なんですよね……。 全く想像できないな。 初見プレイでは、何も考えずに時計を進め、透刻度を上げていった結果、BAD & 哀哭エンドでびっくり。 この透刻度に関する選択肢がなかなかユニークで、圧力鍋を使ってアロマを焚く選択肢や、不審者を警戒して振り上げたガラスの靴をダンベルと言いはる選択肢は思わず二度見してしまいました。
 ストーリーはザ・王道という感じですが、本作の売り(?)である哀哭エンドでは、心が壊れてしまったシエンと、だんだん心が壊れていく主人公が描かれていて、切なくも印象的なエンドでした。

 呪いが解かれたあと、カシカが姿を消したようですが、存在自体が消えていそう……。 カシカは呪いそのものに関わっていそうですが、真相についてはカシカルートをクリアしないとですかね。

ユーレン

 身もふたもないことを言うと、ぼっちをこじらせた人……になるのかな。 思考能力はそれなりにあるはずなのに、人間関係周り、とりわけはじめて得た恋の感情に振り回されて暴走してしまっている感。 ユーレン自身や主人公のモノローグでもあったけれど、ユーレンの幼少期に主人公やシエン、クロエのような人物が一人でも近くにいたのなら違ったんでしょうね。

 ユーレンの文通相手は、時計塔への侵入方法を教えてくれたことを考えるとリンドウでしょうか。 ユーレンのルートでは、呪いの「方法」についてはほぼ解明されたので、残りのルートで呪いをかけた「理由」や「人物」が明らかになっていくのかな? 今回のルートではカシカが消えなかったけれど、呪いを上書きすることで開放されたとかでしょうか。 色々と謎は深まるばかり……。

 シエン、ユーエンルートをプレイしていると、クロネからすごく良い人な雰囲気を感じます。 めんどくさそうにしつつもなんだかんだ優しい常識人。

雑感

 良く作られた作品だなと思うのだけど、いまいち自分には合わないなというのがここまプレイした雑感。 全体的に、物語やキャラクターの解像度が低めとでもいうのでしょうか。 主人公含め登場するキャラクターはそれぞれに個性的なのですが、キャラクターの発言や行動が唐突に感じる、なんでその発言や行動に至ったかが納得できないという場面がしばしば。

 主人公が特に顕著で、カシカの願いを受けて呪いを解こうとするまでは良いのですが、そのために透京の掟を破る可能性があるのを分かった上で、出会って間もない人物たちを一方的に巻き込むのがどうにも納得できなくて……。

 人当たりの良いシエンや、もともと呪いを解くため奮闘していたユーレンはともかく、協力したくないとはっきり拒絶している人物を無理やり追いかけたり(クロネ・ナトラ)、協力してもらうために友情を利用したり(ナトラ・エラ)。 ごくごく普通の人間として生きてきた主人公が、呪いを解くために他者の意思を軽んじている様子が不可解で。 カシカやユーレンのようになんとしても呪いを解きたいという動機が主人公自身にもある、あるいは主人公が目的のために手段を選ばない人物として描写されていれば、また違ったんでしょうけども。

 あと、ライターとの相性だと思いますが、文章がやや苦手。 幻想的でファンタジックな世界観やストーリーに反して文章が軽く、所々内輪ノリっぽさを感じる。 多分笑うところなんだろうなという場面や台詞で、さっと冷めてしまったところがしばしば。