炬燵の中でゲーム三昧

ゲームのプレイ雑記やあれこれ

大正×対称アリス HEADS & TAILS その1(猟師編、オオカミ編)

 Switch 版『大正×対称アリス HEADS & TAILS』、始めました。本編である『大正×対称アリス all in one』が面白かったので、ファンディスクの方も続けてプレイしていきます。本編同様、2017 年に Primura により PC 向けに販売されたソフトが コンシューマに移植されたもののようです。内容としては、本編を猟師、オオカミの視点から描いた猟師編、オオカミ編本編クリア後の、攻略対象たちとのその後を描いたアフターストーリー大正×対称アリスのキャラクターによる現代学園ものパロディである学園アリスの編の三つのようですね。ひとまず、メインっぽい猟師編、オオカミ編から進めていきたいと思います。

 

大正×対称アリス HEADS & TAILS - Switch

大正×対称アリス HEADS & TAILS - Switch

  • 発売日: 2020/10/29
  • メディア: Video Game
 

 

 ※ 以下、ネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

猟師編

 猟師がすごくまっとうで常識人なので、本編に比べて、プレイしていてとても安心感が感じられます。優秀な妹にコンプレックスを抱きながらも、なんだかんだ妹に甘いお兄さんで、とても良かったです。小さい頃互いにあまり関わらなかった分を補うかのごとく、アリステアの養子縁組を期に兄妹としての仲を深めていく、ほんわかできるシナリオでした。猟師目線だからこそ、有栖百合花自身の心の傷というか、小さい頃両親からあまり構われず、孤独にあったがゆえの、アリステアへの依存、執着がしっかり描写されていて、本編ではあまり感情移入できなかった本物の有栖百合花を少し理解できた気がします。エンドは二種類。個人的には、兄妹らしい関係の「手の掛かる妹」エンドがほんわかしていて好きですが、有栖百合花のアリステアへの執着具合を見ていると、実際には「恋人のような兄妹」エンドのようにべったりになるのかなと思ったり。猟師とアリステアによって、有栖百合花自身も救われていくといいなと思います。

 恋人らしい選択肢を選んでいくと「恋人のような兄妹」エンドへ、それ以外だと「手の掛かる妹」エンドへ到達します。どちらのエンドに到達するのも難しくは無いですが、一部選択肢によって CG が変化するので、CG を回収する場合には若干注意が必要かもしれません。

 

オオカミ編

 分かってはいましたが、好きな子の恋を応援するために、ひたすら友人に徹するオオカミの物語は、プレイしていてとても切なくなりました(ルートによっては最後に告白しますが、やはり振られてしまいますね)。ただ、物語を通してオオカミと有栖百合花との仲は一切進展しない上、基本的に epilogue を視点を変えて描いているだけなので、個人的にはダレてしまいました。性格の全く違うアリステアとオオカミが友人として仲良くなっていく部分は好きでした。エンドは三種類ありますが、アリステアとオオカミとが互いに本音をさらけ出して、固い友情に包まれ共同戦線を張る「王子様と狼さん」エンドが個人的には好きです。

 ゲームとしては、主役がオオカミということもあって、イソップの「オオカミ少年」になぞらえて、「嘘を吐く」、「嘘を吐かない」という選択肢で統一されているのは面白かったです。厳密な検証はしていませんが、おそらく嘘を吐く(吐かない)回数によってエンドが分岐。嘘を吐かない回数が多いとオオカミがありすに想いを告げる「ごめんね」エンド、嘘を吐く回数が多いとオオカミが自身の想いを胸に留めて友人としての関係を続ける「嘘吐きオオカミ」エンド、中間で「王子様と狼さん」エンドにそれぞれ到達。ただ、「王子様と狼さん」エンド到達の条件が存外シビアで、おそらくですけどぴったり「嘘を吐く」を 5 回、「嘘を吐かない」を 4 回選択しないといけないんですよね(「嘘を吐く」を 4 回、「嘘を吐かない」を 5 回でも駄目だった気がします)。そのために何度やり直したか……。

 

 ところで、タイトルの HEADS & TAILS が何を指しているのか疑問だったのですけど、「heads or tails?」で「(コインの)表と裏どちらか?」という意味らしく、またこのゲームのジャンルが「夢と現のおとぎ話アドベンチャー」となっているので、夢と現の物語をそれぞれ表と裏に対応させ、アフターストーリーが本編から続く「表」の物語、今回プレイした猟師、オオカミ編が物語の「裏」、といったところでしょうか(あくまで推測ですが)。