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幻奏喫茶アンシャンテ その4 (イグニスルート)

 『幻奏喫茶アンシャンテ』、イグニスルート進めていきます。

  

幻奏喫茶アンシャンテ - Switch

幻奏喫茶アンシャンテ - Switch

  • 発売日: 2019/10/10
  • メディア: Video Game
 

 

 ※ 以下、ネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

 事前にイグニスルートはやばい、という情報を中途半端に入れていたせいか、思ったよりやばくないな、というのが第一印象。ただ、比較対象が Game of Thrones とかだったので、プレイ後一息置いて冷静になると、乙女ゲームとしては攻めてるルートでしたね……。

 不殺を貫き、弱肉強食を是とするベスティアの仕組みを憎んですらいたイグニスが、実は他者を捕食する古代の化け物である界喰狼(ヴァナル)で、かつて同胞をも喰らったことすらある、というのはなかなかエグいです。敵味方関係無いどころか、惚れた女すら捕食対象にしか見えないイグニスの苦悩を考えると、言葉もありません。しかし、不殺を貫くというというイグニスの信念が一度は粉々に砕かれるものの、まさにその信念によって、ベスティアで弱小と言われてきた種族たちがイグニスを助けるために立ち上がる、という展開は非常に熱かったです。弱肉強食の世界の頂点に立つイグニスが、そういった弱小の種族たち、そして力なき人間である琴音に負ける、王道ながらも好きな展開でした。ヴァナルの元ネタは北欧神話に登場する狼、フェンリルでしょうか。フェンリルの別名の中にフローズヴィトニル、ヴァナルガンドがあるので、そのまま焔狼(ヴィニトル)、界喰狼(ヴァナル)となりそう。

 ドローミは完全にコメディ担当のキャラだと思っていたので、裏切りは完全に不意打ちでしたね……。本人は裏切りと思っていなさそうなのが本当に狂気ですが。弱肉強食の世界において、かつて一族を滅ぼされ、絶望を味わったドローミが、自身の悲しみ、怒り、憎悪、無念を何らかの形で昇華させたい、無駄にしたくないという思いが、イグニスに対する崇拝、狂信につながったかと思うと、なんともやりきれないです。

 エピローグは、恋人らしく甘い展開なのですが、相変わらず二人が(特に琴音が)互いに親愛から恋愛感情に変わる過程がいまいち描かれていなかったので、二人の友情物語としても十分成立してしまうよなぁというのが残念。でも、個別ルート序盤、ドローミから二人が番なのかと質問されて慌てるイグニスのシーンは可愛いかったし、彼女が出来たら連れてきてねとさらっと告げる琴音との温度差も面白かったです。

 あとは、作中でも「ラスボス集団」と言及されているように常連メンバーが異常に強いので、ピンチの場面でもあまり緊張感が感じられないと言うか、まあこのメンバーならなんとかなるやろ、となりがち(だからこそ程よくシリアス感が緩和されて乙女ゲームらしさが失われずにいるとも言えるので、この辺りは完全に好みですね……)。

 シーン回想からバッドエンドも確認しましたが、イグニスがヴァナルのまま眠り続けるというもので、まあこんなものかな、と可もなく不可もなく。

 イグニスルートクリアでも、引き続きプロローグ 3 が開放。開放するのはいいんですが、この演出もしかしてミシェルルート開放までずっと続くんですか?グッドエンドの良い感じのムードの中でノイズの入った不穏な演出が入るのは、雰囲気ぶち壊しな気が……。

 

 

プレイ時間
・第 1 章 約 50 分
・第 2 章 約 1 時間 30 分
・第 3 章 約 1 時間 10 分
・最終章 約 1 時間