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幻奏喫茶アンシャンテ その3 (カヌスルート)

幻奏喫茶アンシャンテ』、カヌスルートです。前回うっかりイルルートに入ってしまいましたが、やり直して無事カヌスルート突入できました。ただ、既読スキップが若干遅いような気がします。共通ルートスキップして個別ルートに入るまで 1 時間弱かかってしまいました。

 

幻奏喫茶アンシャンテ - Switch

幻奏喫茶アンシャンテ - Switch

  • 発売日: 2019/10/10
  • メディア: Video Game
 

 

 ※ 以下、ネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

 カヌスルート 第 1 章 ~ 最終章

 共通ルートで、一本の世界樹からなる、美しい世界として語られた妖精界メディオですが、その実態は世界樹の狩場世界樹が妖精たちを喰らわぬよう、世界樹の花嫁という名目で生贄を捧げているという、非常に危うい均衡の上に成り立つ世界でした。500 年前、ティターニアが世界樹の花嫁に選ばれたとき、彼女の姉であり、先代の「死を告げる妖精」であるバンシィ世界樹を破壊し、世界を変えようと立ち上がりますが、世界樹に破れ、死亡してしまいます。末弟であるヴェンニーアは、ティターニアを救うため、琴音を騙して代わりに花嫁として挿げ替え、カヌスを始めとした、アンシャンテの常連メンバーに世界樹の破壊をさせようと画策します。琴音からしたら、ヴェンニーアの所業は完全なるとばっちりで、善悪で語るならば完全に悪ではあるのですが、このルートでは、ヴェンニーアに一番感情移入してしまいました。ティターニアとカヌスは現状維持を主張しますが、その現状が非常に危ういもので、ヴェンニーアが行動を起こさずとも、いずれ世界樹との衝突は避けられなかったと思うんですよね。結果として、カヌスが世界樹に「死を告げる」ことによって、琴音を救い、結ばれ、大団円。

 初めに世界樹に刃を向けた長女バンシィはそのままバンシー、今回世界樹に対し反逆を企てたヴェンニーアはベンニーア(バンシーの別称)ということで、共に世界樹に「死を告げる妖精」としての役割を持っていたというのは良かったです。ところで、花嫁のみを生贄とした世界樹の暴走の抑制ができなかったのが、500 年前のバンシィの事件なのであれば、先代の「死を告げる妖精」の役割とはなんだったのでしょう?(カヌスの「死を告げる妖精」としての役割は、花嫁だけではまかないきれなくなったエネルギーの供給だと理解したのですが)

 前半は初々しい二人の関係性が微笑ましく、後半は妖精界メディアとカヌスが背負う運命に立ち向かう展開が熱く、非常に楽しめました。個別ルートではテンポがだらだらと感じられ、キャラクター間のやり取りに笑いつつも退屈な部分が多かったのですが、個別ルートに入って良い意味で裏切られました。現状の評価は★★★★くらい。特に、カヌスルートのラスト、一時的に世界樹の花嫁となり、妖精の性質を帯びた琴音がカヌスの顔を見た(と思われる)演出は良かったです。ただ、カヌスと琴音が互いに恋愛感情を抱くに至る過程の描写が乏しく、琴音が女性でなくても、つまりこれが乙女ゲームでなくても成り立つよな?というのがやや残念。お互いの心の結びつきが強くなる過程はしっかり描写されていて(だからこそカヌスと琴音の友情物語としても成立してしまうように思うのですが)面白かったから個人的には満足なのですが、恋愛ものというよりは、異世界ファンタジーものとして見た方がしっくりきます。

 好感度が足りない場合にはバッドエンドになるということを後から知り、チャプター回想から確認したのですが、こちらのエンドもかなり好きです。世界樹の花嫁として生贄にされ、目を開くことも、言葉を発することもなくなった琴音。それでも世界樹からのエネルギー摂取を減らし、少しでも琴音の延命をすべく、妖精を殺すという、あれだけ厭っていた「死を告げる妖精」としての役目を淡々とこなすというエンド。もう全く救いが無いんですけど、それを分かっていながら、あがくことをやめられないカヌスが切なく、心に残ります

 あとは、サブキャラがとても良かったです。ティターニアやヴェンニーア、狩也などなど、とても魅力的なキャラクターたちばかりで、サブキャラなのがもったいないくらい。個人的に、このゲームのキャラデザインが好きなので、とても眼福なのもあります。

 それにしても、公式サイトやパッケージ、OP ムービーからは想像もつかないほどシリアスなゲームですね……。こういう方向性も好きな自分は問題なかったですが、人によっては広告詐欺、パッケージ詐欺のように感じるでしょうから、もう少し作品の方向性はしっかり事前に提示しておいた方が良かったのでは、とお節介ながらにも思ったり。

 カヌスルートをクリアすることで、プロローグ 2 が開放。ミシェルルートの伏線ぽいですが、共通ルートで琴音をゲートに引きずり込んだ際のノイズのような声が何か喋っているようで不穏な感じですね。

 ゲームとしては、どの選択肢で誰の好感度が上がるか、反応から分かりやすいので、そんなに苦労することはないかな?といった感じ。それだけに、既読スキップの遅さがネックになりそう。ルート分岐条件が好感度の一番高いキャラクターなので、毎回共通ルートを最初からやり直す必要があるんですよね……(頑張ればある程度は短縮できるのかもしれませんが)。

 

プレイ時間
・第 1 章 約 1 時間
・第 2 章 約 1 時間
・第 3 章 約 1 時間
・最終章 約 1 時間