炬燵の中でゲーム三昧

ゲームのプレイ雑記やあれこれ

大正×対称アリス all in one その1(episode 1 シンデレラ編)

 Switch 版『大正×対称アリス all in one』、始めました。

 女性向け恋愛アドベンチャーゲーム、いわゆる乙女ゲームと呼ばれるジャンルのゲームですね。乙女ゲームのプレイはかなり久しぶりな気がします。最後にプレイしたのがPS vita で発売された『AMNESIA』とその FD だったかな?今回プレイする大正×対称アリス(タイトルがすごく打ちにくい)は、2015 年に Primura により PC 向けに販売された全 4 巻のソフトが 1 つにまとまったものらしいです。一応前情報によると、おとぎ話をベースとしたストーリーで、完全なノベルゲーム(ゲーム性としては、選択肢の選択によるストーリーの分岐程度)のようですね。数ある乙女ゲームと呼ばれるものの中でも、シナリオ重視でありながら、かなり人を選ぶということで、それならやってやろう、と手にとった次第。あと単純に、こういったおとぎ話ベースの物語が好きです。

 プレイ前のキャラクターの好みは、
赤ずきん、白雪>かぐや、グレーテル>他

 

大正×対称アリス all in one - Switch

大正×対称アリス all in one - Switch

  • 発売日: 2019/04/18
  • メディア: Video Game
 

 

 ※ 以下、ネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

 まず思ったのが、プロローグが退屈。人を選ぶゲームだとは聞いていたけれど、プレイ開始直後からプレイヤーをふるい落としにかかって来るとは思っていませんでした。まだこのゲームの世界観も、魅力も、何も分からない状態で、10 分くらい延々と真っ暗な空間で主人公ありすと登場人物の一人であるアリスとの会話劇が続きます。正直ここだけで評価★付けたくなってきました。エンタメ作品が数多ある昨今、作品冒頭で魅力を感じないコンテンツってかなりもったいない気がします(魅力を感じる、感じないはあくまで主観ですが)。ちなみにアリス役の松岡禎丞さんの演技だけなら★★★★★です。最近鬼滅の刃で伊之助役を演じておられたのでたまたま名前を覚えていたのですが、かたや野生児、かたや暴言マシンガントークツンデレ少年で、全然役柄も違っているのに見事にはまっていて、月並みながら声優ってすごいんだなと思いました。というか、単純にこの方の演技がかなり好きです。

 

 プロローグ終了とともに、どのキャラクターのルートに進むか選択する方式なのですが、元々 4 巻という分作形式で販売されていたこともあり、最初に選ぶことのできるキャラクターはシンデレラと赤ずきんのみです。今回はシンデレラを選択

 

 プロローグを乗り越えると、物語が面白くなってきて一安心。物語の舞台は鏡の国。主人公ありすが、シンデレラという合ったこともない男とのお見合い話を受けて、相手の人となりを見極めるためにシンデレラの経営する店に潜り込む、というストーリー。序盤からシンデレラの傍若無人ぷりが遺憾なく発揮され、このキャラクター好きになれるのかな?と心配でしたが、杞憂でした。物語の中で、シンデレラの魅力的な部分、心理的な葛藤なども描かれ、シンデレラ含むキャラクター同士のやり取りが非常に面白く、楽しめました。俺様系のキャラクターが元々そんなに好きではないのですが、居丈高に振る舞うシンデレラが、ありすと交流を深める中で、その根底にある臆病で誠実な部分をさらけ出していくというのは王道ながら良かったです。意外だったのは主人公のキャラクターで、最初は無自覚に周りを振り回す天然タイプの主人公かなと思っていたのですが、ある程度自覚しながら周りを振り回していく計算高いタイプの主人公のようで、女性向け恋愛ものでは珍しい感じですが、結構好きです。というか、情けなくてヘタレなシンデレラをまるごと受け止めるありすが男前すぎます。気になるとすれば、シンデレラ自身、根が真面目で誠実という、非常に真っ直ぐなキャラクターだったので、癖の強そうな他のキャラクターのルートと比較したときに影が薄くなるのではと若干心配ですね……。白雪とグレーテルというキャラクターがシンデレラの弟として、かぐやというキャラクターがありすの従者として、それぞれ登場していますが、いずれも癖が強そう、いや好きですけども。

 

 ゲームとしては、元々、キャラクターを交流するストーリー部分と、物語の舞台となっている鏡の国の謎に迫る部分と、大きく二つの軸から成り立っているようで。物語の舞台そのものに関しては、プロローグの真っ暗な世界、そこから鏡を通してやってきた鏡の国、どちらかが現実でどちらかが夢なのか、はたまたどちらも夢なのか、といったところだけど、現状、どちらも夢なのかな?といったところです。結構な頻度で現代日本の単語が発せられる(労働基準法とか、おむすびと烏龍茶とか)のはおそらくわざとだと思うし、所々挟まれるメタ的な言動(ヒロイン、ツンデレ好きだろ喜べ、バッドエンド時の魔法使いの登場、などなど)も鑑みるに、ゲーム内で見ているのは現実世界ではなく夢で、「ありす」と「アリス」が現実と今見えている夢との特異点なのかなぁと。じゃあ夢の中に現れる攻略対象たちはなんなのか、となるのだけど、主人公が攻略対象の心の内を理解し、癒やし、結ばれる、という流れが重要なキーになっているように思います。一応、夢の中の人物は全てありすの別人格で、ありすが自分自身を救済する物語、という解釈もできるものの、メタメタに考えるとこれは乙女ゲームなので、そんな世界観は許されるのか……?という思いががが。夢の中でも明らかに異質なアリスと魔法使いの存在は一体何なのか?というのが気になるところです。バッドエンド時に、魔法使いが魔法によって何度も繰り返しながらハッピーエンドを掴み取るんだ、とありすに語りかけるように、「ゲーム」として繰り返しプレイし、選択肢を間違えながら最終的に正解のルートに辿り着くことが前提とされていて、このメタ的な部分がどう世界観に反映されているのかは楽しみです。シンデレラルートまでプレイした状態でひとまず評価をつけるのであれば★★★くらいかな。

 

 ルートの攻略としては、基本的にシンデレラの好感度を上げていけば良さそうです。キャラクターの反応で選択肢が正しいかもなんとなく分かるので、難易度も低め。好感度が十分に上がっていないと途中でバッドエンドになったりしますが、バッドエンド=ゲームオーバーのような形になっているので、無理に回収しなくてもいいかな。シンデレラ編をクリア(グッドエンドに到達)することで、episode 2 が開放されます。