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ゲームのプレイ雑記やあれこれ

蛇香のライラ その2 (第二夜 皇驪・希驪ルート)

 PC 版『蛇香のライラ Allure of MUSK 第二夜 アジアン・ナイト』、第一夜に引き続きプレイしました。アジアン・ナイトということで、第一夜のヨーロピアン・ナイトとは打って変わってアジア(というか中国)風な背景や BGM が良い感じでした。攻略対象は、第一夜でも少し登場していた皇驪と希驪の兄弟。 引き続き攻略対象が魅力的で、そこも良かったです。

 

蛇香のライラ ~Allure of MUSK~ 第二夜 アジアン・ナイト
 
蛇香のライラ ~Trap of MUSK~ - Switch

蛇香のライラ ~Trap of MUSK~ - Switch

  • 発売日: 2019/09/19
  • メディア: Video Game
 

  

 ※ 以下、ネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

共通ルート

 兄である皇驪が白蛇伝に登場する白娘子に心酔し、現実の女性に興味を示さないことを心配した希驪が、皇驪を誘惑して現実の女性に目を向けさせるようシリーンに依頼するところから物語が始まります。禁欲的な皇驪と即物的な希驪と正反対な二人ですが、兄妹仲が良く見ていて微笑ましいです。

皇驪ルート

 白蛇伝信者。手に持っている団扇の白娘子の絵が気になって仕方がなかったのですが、まさか皇驪自ら描いたものだとは。私室も白蛇伝一色ですごかったですね……。そんな感じで白蛇伝一筋かと思いきや、実際には皇太子としての自覚を持って色々考えて行動しているギャップが滅茶苦茶良かったです。ぼんやりした第一印象と裏腹に、他人のことや国のことを本当に良く見て考えていて、計算高く行動する面も好きでした。ずっとシリーンのことを白娘子と呼んでいたのに、別れ際にシリーンと本名を呼ぶのはずるいです。病的なまでの禁欲さの原因はルート内で語られますが、自分にさえシリーンに触れることを禁じていたところ(その割に桃の食べさせ方とか、妙に偏執的なところがありますが)から、少しずつ関係性が変化していく過程が良かったです。

 このゲームでは、好感度が上がる選択肢を選んだ際にエフェクトが出るので、それを頼りに攻略していたのですが、皇驪ルートでは一箇所好感度を上がる選択肢を選んでバッドエンド直行する部分があり、びっくりしました。皇驪がシリーンを調教し、皇驪を許仙、シリーンを白娘子と思い込ませ、妄想の世界に閉じ籠もるエンド。もう一つは、シリーンが毒殺されそうになった皇驪が猜疑心に囚われ政務を放棄し、民衆の反乱により水の中に二人で沈んで死んでいくエンド。どちらも皇驪ならありえそうと思えるエンドなだけに描写があっさりなのが残念。

希驪ルート

 キャラクター紹介に狡猾な皇子とあったので、ふわっとした印象の兄と対照的に賢しく行動するキャラクターかと思いきや、欲望に忠実で即物的だけど素直で憎めないキャラクターでした。兄を誘惑するようシリーンに依頼していたはずの希驪がシリーンに一目惚れし、その危うさを放って置けずにシリーンに一方的に構うのですが、希驪の素直で人懐くい性格が憎めず、他人のことを放って置けないところがめっちゃいい子!ってなりました。だからこそ、シリーンが希驪にだんだん気持ちを許していくのも納得感があってよかったです。強いて言うなら、このルートでは自分の気持ちを押し殺して密偵をしているシリーンに焦点が当たっている故に、シリーンが神聖化されすぎている気がしたのがちょっと苦手でした。第一夜で持ったシリーンへの苦手意識がどうしても拭えないままなんですよね……。それにしても乙女ゲームS 県月宮ネタを目にすることになるとは。

 バッドエンドは、美蘭に兄を殺された希驪がシリーンとの関係を続けていくことが出来ずに別れ、やがて希驪が美蘭の姉春蘭の復習により死に別れるというエンド。過程の描写がかなり駆け足なので、感情移入できず切なさなどは感じず。本編も大概駆け足に進みますが、バッドエンドは特に描写が薄いのであまり印象に残らないですね、このゲーム……。

二重スパイルート

 シリーンが皇驪、希驪のどちらかを選び切れず、兄弟とシリーンが三人で仲良く暮らすルート。どこか偏執的なところがある皇驪はともかくも、割と常識人な希驪がこの歪な三角関係に納得するのか?というのが疑問で個人的にはいまいち納得できないルートでした。妹の一人にどちらのお嫁さんなの?と聞かれていましたが、皇驪が次期皇帝なので割と洒落にならない状況だし、兄の白蛇伝信者っぷりを心配していた希驪がそれを受け入れると思えなくて……。兄弟二人が仲良くて第一夜みたいにシリーンの取り合いをしているような感じがなく、倒錯感などもなく平和なのでシリーンの優柔不断さが際立って見えるのも個人的にうーん……。

 そして相変わらず店長が怪しいですね。シリーンが店主を盲信しているきらいがあるのも、裏で店長がシリーンに何かしていそう。「恋をしたなら仕方がない」とあっさり密偵業から足を洗わせてくれる店長をシリーンはありがたがっているけど、単に使えなくなった道具を手放しているようにしか見えないのがなんとも言えないです。

総評

 相変わらずシナリオや設定は雑いんですけど、第一夜と比べると、シリーンと攻略対象の関係性の変化が丁寧に描かれているので、個人的には第二夜の方が好きでした。単純に攻略対象の中でも特に皇驪が好きというのもありますが。アジアンテイストな背景、BGM も良かったです。調べてみたら白蛇伝って本当に中国の民話として実在するんですね。

 個人的に気になる点として、サブキャラクターの扱いひどくありませんか?短い尺でシナリオをまとめるためには仕方が無いかもしれませんが、テオドールにせよパメラにせよ美蘭にせよ、物語の進行上必要な悪役としか描かれないのが単純に好きじゃないですし、とってつけた感が出て世界観や物語が浅く感じる原因にもなっている気がします。