炬燵の中でゲーム三昧

ゲームのプレイ雑記やあれこれ

CRYSTAR 感想

CRYSTAR』(PS4 / PC (Steam))
フリュー 
(アクション)

CRYSTAR -クライスタ- - PS4

CRYSTAR -クライスタ- - PS4

  • 発売日: 2018/10/18
  • メディア: Video Game
 

 

- 満足度:★★☆ 2.5

- 総評:★★★ 3.0
- ストーリー:★★☆ 2.5
- キャラクター:★★★ 3.0
- グラフィック:★★★ 3.0
- 音楽:★★★★★ 5.0
- ゲーム性:★★☆ 2.5

良かった点
OP・ED が良い、BGM が良い、キャラクターの立ち絵がきれい、死んだ魂の物語が魅力的

悪かった点
ストーリーが薄い、戦闘が単調、マップが無駄に広い

購入動機
陰鬱とした雰囲気と鬱と評判のシナリオに惹かれて

プレイ状況
PS4 版・本編クリア(難易度ノーマル、トロフィー獲得率 76 %)

作品紹介

 『CRYSTAR(クライスタ)』は、2018 年にフリューから販売されたゲームで、ジャンルは「泣いて戦うアクション RPG」。主人公である零が、死んだ妹みらいをヨミガエリさせるために悪魔と契約し、命がけで辺獄に漂う死んだ魂たちを狩っていく物語となります。零は辺獄で 3 人の少女たちと出会い、共に戦っていくことになりますが、それぞれが辺獄に至る暗い過去を持ち、それぞれの目的と意思を持って悪魔と契約し、魂を狩り続けます。辺獄が舞台になっているだけあり陰鬱な世界観と雰囲気が魅力なゲームですが、ストーリーやキャラクターの描写が全体的に薄く感じられました。

OP・ED と BGM の素晴らしさ

 このゲームではやなぎなぎさんが OP、ED の曲を歌っておられるのですが、この曲が本当に素晴らしいです。OP のアニメーションムービーも「魔法少女まどか☆マギカ」や「化物語」などのアニメ作品で有名なシャフトが制作しているらしく、見応え抜群。また、sakuzyo 氏が手掛ける BGM も素晴らしく、切なさを感じる曲から、盛り上がりのある戦闘曲に至るまで、ゲームの世界観と非常にマッチしています。ゲーム内でもミュージック・プレイヤーモードがあり、BGM を自由に選択して聞くことができるのも良いですね。OP、ED 曲、BGM については、ゲームクリア後すぐに CD を購入してヘビロテするくらい好きです。


【CRYSTAR -クライスタ-】オープニングムービー

CRYSTAR -クライスタ- Sakuzyo Complete Soundtrack

CRYSTAR -クライスタ- Sakuzyo Complete Soundtrack

  • アーティスト:sakuzyo
  • 発売日: 2019/05/08
  • メディア: CD
 

キャラクターのイラストが魅力的

 キャラクターデザインはリウイチ氏が手掛けておられるのですが、これがまた非常に美しいです。登場するキャラクターたちの、少女特有の脆さ、危うさを感させる繊細な美しさが表現されており、このゲームのどこか陰鬱ながらも儚げで美しい世界観を形づくっていると言っても過言ではないと思います。

死んだ魂の物語が魅力的

 ゲームの中では、異形化して辺獄で漂っている死んだ魂を倒していくことになりますが、特殊な魂を倒すと、その魂の生前や死に関する物語が読めるようになります。この魂たちは、物悲しさを感じさせるもの、狂気を感じさせるもの、それぞれ異なる物語を持っており、物語の数も多く、ときには魂同士の物語の繋がりが合っているものもあり、とても魅力的で読み応えがあります(ドラッグオンドラグーンやニーアシリーズの武器物語を思い出しました)。

個人的に気になった点

 登場する少女たちはみな個性的で、基本的に彼女たちの会話劇で物語が進んでいくので、好みに合えば楽しめると思います。個人的には、ストーリーやキャラクターの描写が全体的に薄く感じられました。少女たちの心情描写が薄く、各キャラクターの言動に説得力が感じられず、あまり物語にのめり込めませんでした。

 戦闘部分については、オーソドックスなアクションなのですが、もっさりとした操作感で、ボタンを連打するだけの単調な作業になりがちで、あまり面白さを感じませんでした。色違いばかりで種類の少ない敵、敵の体力の多さ、マップの広さも相まって余計に単調に感じました。また、戦闘では、主人公と仲間となる三人の少女の中から一人を選択して操作する方式であるため、仲間との共闘感はありません。操作キャラクターはバランス型、攻撃力特化型、遠隔魔法型などそれぞれ特色がありますが、戦闘の単調さも相まってあまりキャラクターの性能が生かされる場面はなく、操作キャラクターを使い分けて戦うといった戦略性はあまり感じられませんでした(キャラクターの性能を気にせず、好きなキャラでクリアできるとも言えますが)。かと思えば、ストーリー上でいきなりパーティが分断され、操作キャラクターが制限される場面があるため、装備も揃っていない慣れないキャラクターでの操作を強要されるときがあり、ストレスに感じました。

 また、「泣いて戦うアクション RPG」と銘打っているように、特殊な敵を倒して魂を集め、涙を流すことで武器、防具などの装備を獲得するシステムとなっているのですが、得られる武器の性能がランダムに決まるハクスラ要素があるため、先述の戦闘の単調さと相まって、作業的に感じました。

まとめ

 鬱でダークな世界観、物語を期待して購入しましたが、どちらかというとキャラゲー的な要素が強いのかな?と思います。ゲーム性よりも世界観やキャラクターを押している作品ですし、年端もいかない可愛らしい少女たちが辺獄で戦いつつ、ときにいちゃいちゃし、ときにギスギスしながら互いの絆を築いていく作品となっているので、世界観やキャラクターに魅力を感じられれば楽しめるかと思います。個人的にはキャラゲーとしても描写が薄く感じ、総合的には合わなかった作品ですが。それでも、褐色幼女は自分の性癖にかすりもしないのに 777 は可愛いかったですし、メフィスとフェレスは声優さんの怪演も相まって好きなキャラクターです。

 コンプリートはしていませんが、死んだ魂の物語は世界観を上手く表現しており、とても魅力的でした。ヨコオタロウ氏の作品(ドラッグオンドラグーン、ニーアシリーズ)が好きな人には刺さるんじゃないかなと思います。

 

 ※ 以下、ネタバレありの個人的な感想となります。

  

プレイ後感想

 主人公である零が、妹を救うために自分のエゴを押し通してでも魂を狩るというのが物語の軸の一つだとは思うのですが、その部分の描写があっさりしていて拍子抜け。零に全く感情移入できませんでした。メフィスとフェレスが好きだったのですが、最終的に全ての悲劇が悪魔である二人の所為にされてしまうのも興ざめでした。この真相の所為で、己のエゴによってあらゆる業を背負う覚悟で魂を狩るという物語の軸が薄っぺらに。せっかく辺獄という陰鬱な世界観で展開される物語なのだから、悪魔二人はあくまで傍観者で、少女たちが己のエゴと業によって堕ちていくという方が絶望感があって良かったのになぁと思います。この辺りは完全に個人の好みになりますが。

 ゲーム部分については、戦闘自体は慣れれば何も考えずに手を動かせば良いだけになるのでそれほど苦ではなかったのですが、無駄にマップが広く、敵の体力も多いため、中盤以降は雑魚敵はほとんど無視しながらの進行でした。

 総じて、世界観や雰囲気、音楽がとても好きだっただけに、ストーリーやゲーム部分が合わずに残念な作品でした。比較作品として、ヨコオタロウ氏の作品が挙げられていたため、もっと鬱々とした、狂気を孕んだ世界観とシナリオを期待してしまったのですが、世界観はダークなものの、シナリオについては人情・成長ものとしての要素が強いんじゃないかなと思います。完全に自分の調査不足が悪いのですが、期待していたものとのミスマッチがあったのも、いまいちはまれなかった原因かなと思います。でも、音楽は本当に良いです。