『ZERO ESCAPE 9時間9人9の扉』、だんだん物語の核心に近づいていっている感じがして、とても先が気になります。
※ 以下、ネタバレを含みますので、ご注意ください。
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「片恋いコントラスト collection of branch」(Nintendo Switch、PC(分作))
オトメイト(アイディアファクトリー)
(女性向け恋愛アドベンチャー)
- 満足度:★★★★ 4.0
- 総評:★★★☆ 3.5
- シナリオ:★★★☆ 3.5
- キャラクター:★★★☆ 3.5
- イラスト:★★★☆ 3.5
- システム:★★★★ 4.0
良かった点:
丁寧な恋愛描写、学園もの王道恋愛少女展開が楽しめる
悪かった点:
スチルのクオリティがやや低い
プレイ状況:
エンディング フルコンプ
プレイ時間:
一周 5 ~ 7 時間、フルコンプで 20 時間程度
『片恋いコントラスト collection of branch』は 2018 年に第一巻 ~ 第三巻の分作でオトメイトにより発売された女性向け恋愛アドベンチャーゲームで、選択肢によって分岐していく、シンプルなノベルアドベンチャーゲームです。2019 年には全三巻が一本のゲームとして Nintendo Switch に移植されており、今回プレイしたのはこちらの移植版です。キャストは、
- 椎葉亜樹那:緑川光
- 樫永和兎:日野聡
- 檜渡鈴太郎:近藤隆
- 桐阪保:森田成一
- 楠見清孝:鳥海浩輔
- 楡居凪:吉野裕行
本作は、中高一貫校を舞台とした学園恋愛もので、高校に進学したての人付き合いが苦手な主人公、冴子(名前変更可能)が、大好きなラジオ番組をきっかけに、新たな出会いを経験することになります。
往年の少女漫画を思い出せる少女漫画的な王道のシナリオとなっています。特筆すべきは、非常に丁寧な恋愛描写、心情描写で、等身大のキャラクターたちによる思春期特有のもどかしさ、ままならなさに振り回される恋愛模様が本当にプレイしていて楽しかったです。冴子はどちらかというとネガティブなタイプなのですが、思春期を経験してきた人なら共感できるんじゃないかな?という等身大な悩みや不安を抱えた女の子として描かれていて、見ていてもどかしいながらも感情移入してしまう絶妙さが良かったです。
とはいえ、少女漫画が苦手な人はとことん合わないと思うので注意。
本作で特徴的なのが、その物語の構成となります。恋愛アドベンチャーでおなじみの個別ルートが存在せず、「初恋編」、「傷恋編」の二つの恋を経て、選んだ選択肢に寄って結ばれる相手と結末が変わってきます。個別ルートはないものの、「初恋編」、「傷恋編」でそれぞれの攻略対象への想いや関係性の変化が丁寧に描かれており、冴子が相手に惹かれ揺れ動く様子が伝わってきて、とても楽しめました。基本的な物語の流れは変わらないのに、冴子の選択によって結末が変わってくるというのも、木の枝葉のように広がる可能性から、自分で未来を掴み取るという感じで好きです。
不満らしい不満はあまりないのですが、強いて挙げるのならスチルのクオリティがやや低いように感じました。パッと見てバランスが悪いように感じるスチルが多かったです。立ち絵の方は綺麗なだけに少々気になりました。
少女漫画的な恋愛アドベンチャーというコンセプトがはっきりとしていて良かったです。思春期特有のもどかしさにもだもだしながらも、丁寧な心情描写で物語に入り込め、とても楽しめました。物語の面白さは、シナリオの壮大さや、キャラクターの個性の強さだけじゃないんだなぁとしみじみ。
※ 以下、ネタバレ有りの個人的な感想になります。
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PS4 版『ZERO ESCAPE 9時間9人9の扉』をプレイし始めました。もともと Nintendo DS で発売されたゲームで「極限脱出」シリーズの一作目。脱出ゲームとノベルアドベンチャーを合わせたゲームです。
極限脱出とあるように、9 人の男女が沈みゆく船の中に閉じ込めらた極限状態からの脱出が目的となっています。物語が展開するアドベンチャーモードと、謎を解く脱出パートとを交互にプレイしていくことになります。ノベルアドベンチャーとして、緩急のある展開で惹き込まれ、9 人のキャラクターもそれぞれ個性があって魅力的です。脱出ゲームの難易度は低め(主人公や登場キャラクターがかなりヒントをくれる)ですが、物語を楽しむのを邪魔しない程よい調整になっていると思います。
※ 以下、ネタバレが含まれますので、ご注意ください。
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『いけにえと雪のセツナ』
進行度としてはおそらくラストダンジョン前、プレイ時間 10 時間ちょっとで、あと少しでクリアというところですが、クリアを断念。ラストダンジョン前までプレイしているように、決してつまらないという訳ではないです。往年の RPG を目指すというコンセプトは理解できますし、切なさを感じさせる世界観と雰囲気、BGM はとても良かったです。良くも悪くも淡々と話が進んでいくので、サクサクとゲームが進められるのも良かった。
ただ、面白くもないというのが問題で……。ゲーム全体として非常に薄く、途中で挟まれるエピソードも、キャラクターもいまいち印象に残らないんですよね。ストーリーに関して、大筋は好きなんですが、伏線や掘り下げがないまま唐突にエピソードが挟まれるので、話が薄っぺらく、ご都合主義的に思えます。ゲームシステムはクロノトリガーのアクティブタイムバトルがベースになっているので、攻撃のタイミングや連携を考えるのが楽しくはあるのですが、序盤で手に入るスキルや連携技が強く、全体的に大味なゲームバランスになっていて、せっかくのゲームシステムが生かしきれていないように感じられたのが残念。
盛り上がりも盛り下がりもない無味無臭なゲームで、あえてこのゲームをプレイする必要はないなぁという気持ちが強くなってしまって……。雰囲気はかなり好みで、個々の要素には惹かれるものも多かったので残念。