炬燵の中でゲーム三昧

ゲームのプレイ雑記やあれこれ

OPUS 魂の架け橋 その2

 『OPUS 魂の架け橋』、クリアしました。残念ながら、最後までプレイしてもいまいちだなぁという感想は変わらず……。

 

 

 ※ 以下、ネタバレを含みますので、ご注意下さい。

 

 材料を集めてロケットを制作、発射し、失敗しては問題点を洗い出し、次のロケットを作成する。それらを繰り返しつつも、なかなか宇宙葬を成功させることができず、やがて冬が訪れ、焦燥感からヨハンとフェイの関係にも緊張が滲んできます。そんな中、ロケットの制作に必要な冷却装置を入手するため、フェイは自分の目覚めた第一協会へと単身赴きます。始めはすぐに根を上げて帰ってくるだろうと高を括っていたヨハンも、数日経っても戻らないフェイを心配し、迎えにいくことに。二人は山中で再会するものの、吹雪により遭難してしまいます。絶望的に思われる状況の中、二人は夢か現か、銀河にかけられた魂の架け橋を垣間見、宇宙葬を成功させる決意を新たにし、物語は幕を閉じます

 前作に引き続き、クライマックスの BGM と演出はとても良かったです。宇宙葬が成功したかどうかはっきり語らず、プレイヤーの想像に任せる終わり方も個人的には好きです。ただ、やはり物語やキャラクターの心情に関する描写が不足しているため、物語のテーマ性やエンディングに至るまでのキャラクターの心境変化が薄っぺらく感じてしまいました。クライマックスの展開や開発者のメッセージから、このゲームのメインテーマは「人々の死を受け入れること」(疫病前に出会っていたヨハンとフェイが再会したように、別れがあっても人はいずれ銀河で再会することができる)だと解釈したのですが、であれば宇宙葬による霊魂の救済と別れについての葛藤についてもう少し描写があっても良かったのでは、と思います。一応フェイのモノローグでその葛藤について言及はされるものの、他の細々とした描写に埋もれてしまって、クライマックスに至るまで死者との別れとその象徴である宇宙葬がメインテーマだと気づきませんでした。中盤あたりで、巫女として宇宙葬にこだわりつづけるフェイに対し、ヨハンによって「宇宙葬は本当に他の何を差し置いても(命を危険に晒してまで)優先すべき重要事項なのか、個人が責任を持つべきは自分自身のことだけで良いのではないか」という問題提起がなされていて、プレイしながら宇宙葬の意義に疑問を持っていたこともあって途中までこちらがメインテーマだと思っていたんですよね。結局この問題提起に対しては、宇宙葬は生者が死者との別れを受け入れる象徴であるというちょっとずれた形で回収はされるんですが、死者との別れをメインテーマに据えるのであれば、宇宙葬の重要性ではなく、宇宙葬の実施と、死者との別れとの葛藤を中心にストーリーの描写を行うべきだったんじゃないかなと。ゲーム全体としてテーマが一貫していないので、ストーリー重視なゲームとしてみると微妙で、結局良くも悪くも雰囲気ゲーだなという感想に落ち着いてしまいました。

 メインストーリーをクリアしても死者の遺物の収集などやりこみ要素もありますが、探索が非常に面倒なので手をつける予定はないです。