炬燵の中でゲーム三昧

ゲームのプレイ雑記やあれこれ

Code:Realize 創世の姫君 プレイ日記#2:ヴァン・サン・ルパンルート

 「Code:Realize 創世の姫君」クリアー。 キャラクターは総じて好きだし、よく出来たゲームだなとは思うのですが、いまいち刺さらなかったというか自分には合わなかったかな……。

 ※ 以下、ネタバレ注意

 

ヴァン

 アレスターと協力し、ヴァンの家族の敵であるフィーニスを倒すために奮闘するが、実はアレスターこそがすべての黒幕で……というのがヴァンのシナリオ。 戦闘シーンが多かった分、フランルートよりは緊迫感が感じられて良かったかなと思います。
 ただ、主人公の問題がそっちのけな上、ヒドゥン・ストレングスも解決したのかしてないのか分からないままでいまいちすっきりしないエンド。 アレスターがいなくなっても一度施されたヒドゥン・ストレングスがなくなる訳では無いと思うのだけど……。 そこはアレスターしかヒドゥン・ストレングスを発動できないとかなのでしょうか。
 なにより、ヴァンのルートは過去の罪と赦しが一つのテーマになっていると思うのですが、なぜヴァンが自分の罪を赦せるようになったのかがよく分からないのですよね……。 アレスターは勝手に死んでしまったし。 シナリオの意図としては、主人公との愛が罪の赦しにつながったということなのかなと思わなくもないですが、主人公とヴァンがどうしてお互いに惹かれたのか恋愛過程が全然描写されないので、感動できずに終わってしまった。
 おまけシナリオで、ヴァンの料理下手が判明するシーンは面白かった。

サン

 世界を正しい方向へ導く「イデア」という組織。 サンはそのイデア使徒で、世界を破滅に向かわせるアイザックとその創造物をすべて亡きものにする使命を追っており……というシナリオですが、尺に対して物語のスケールが大きすぎてちょっとついていけなかったかな……。 サンのルートは、己の宿命と愛する者の命のどちらを取るかというのが一つのテーマだと思うのですが、主人公とサンがどうして惹かれ合ったのかが描写されないので正直白けてしまって……。 サンが基本皆から一歩引いた位置にいるのも相まって、ヴァン以上になぜ主人公に惹かれたのかが分からないんですよね。
 それから、キャラクターの悲しい過去とか、思惑とか、なんでもモノローグで説明するので、くどいしテンポが悪い(これまでのルートでもその傾向はあったけど、サンルートは特に顕著)。 この部分についてはもう完全に個人の好みなのですが、キャラクターに言葉で語らせるのではなく、行動で示してくれよと思ってしまう。
 これまでのルートでも薄々感じていたけれど、ルパンってどのルートでも主人公のこと好きなんじゃないかな、その上で他の攻略対象との仲を応援しているんじゃないかなとなって、ルパンルートが楽しみになりました。

ルパン

 真相ルートということでサブキャラも含め色々なキャラクターが大集合してアイザックの陰謀に挑むぜ!というルート。 ……なのだけど、皆さらっと主人公のために命をかけるので、緊迫感も悲壮感も薄い。 別の攻略対象たちの問題も主人公の毒も解決するので大団円なのですが、他のルートは一体何だったの?となるし、何か語るほど印象に残ってない。

総評

 全体として、恋愛ものよりも少年漫画のような冒険活劇という色合いのが強く、恋愛ものとして見ると物足りない。 一方で、冒険活劇として見ても熱さや格好良さが感じられず、やはり物足りないという、中途半端な作品だなと感じました。 なんというか、ストーリーのノリは男性向け作品のそれなのに、文章や描写が女性向け作品のそれなんですよね。 アクションや情景描写よりも心理描写重視といいますか。 それが作品の魅力につながっているのであれば良いのですが、噛み合っていなくてちぐはぐな印象が拭えず。 基本的に主人公側が勝つような物語構成となっている(主人公側が正しいように描写される)のも、緊迫感のなさにつながっているなぁと。 その上、キャラクターが設定(悲壮な過去や想い)を自身で全部語ってしまうのが、とにかく好みに合わない。 くどいしテンポが悪いし、なにより物語やキャラクターが薄っぺらく感じてしまう。
 「幻奏喫茶アンシャンテ」とディレクター、シナリオライターが同じと聞いて、すごく納得しました。 不幸な境遇にある主人公が、仲間とともに困難を乗り越え、なんやかんやあって結ばれるという物語の構造がアンシャンテと一緒。 ルパンなど立ち位置がそのままミシェルだし、初対面から攻略対象からの好感度がほぼ MAX で、恋愛要素が薄いのもそのまま。